【本レビュー】ちょっぴり怖いけど、ドキドキするキャンパスライフ:ホーンテッド・キャンパス
電車の移動時間や風呂タイムにライトな小説やミステリー小説を読んでいるのですが、その中でも時間を忘れて読み続けてしまったのが、今回ご紹介する「ホーンテッド・キャンパス」。
主人公の森司(シンジ)が非常にヘタレなのですが、自分の青春時代とかぶっている点もあったため感情移入してしまったようです。
【あらすじ】
八神森司は、幽霊が「見えてしまう」体質の大学生。でも、できれば怖いことには近づきたくないと思っていたが、一浪した大学で高校時代から想いを寄せている眉間にしわを寄せ、近づきにくいオーラを出す美少女こよみに再会する。
こよみのことを昔から知っている部長こと黒沼麟太郎に言われ、オカルト研究会に入ったこよみを追いかけ、ヘタレの森司もオカルト研究会に参加する。
そんなある日オカ研に、女の顔の形の染みが、壁に浮き出るという悩みが寄せられ…
ホラー要素よりも青春のほうが色濃い
確かにホラー的な要素も出てくるのですが、すごく怖いということはありません。幽霊関連のミステリーや小説をたくさん読んでいますが、怖いというよりも現象が起きた理由等を解明するというのが中心となります。
ただ、それよりも何よりも、主人公の森司(しんじ)とこよみの関係性にイライラしながらも、やさしく見守りたいという気持ちで読み込んでしまうのが、この小説の特徴です。
主人公の森司がヘタレすぎる
若いころや40代で独身の男性などに響く部分があるかと思うのですが、好きだけど告白してしまって今の関係性が壊れるのが怖くて告白できない。ということはありませんか。
主人公の森司はそもそも自分をかなり過小評価し過ぎているのですが、それに加えて上記のような気持ちも持っています。
高校の一年後輩だったこよみと別れ、あきらめていたところ大学で奇跡の再会をする。1年目から告白してフラれたら、残りの4年間を廃人として過ごすことになると考え、中々告白しません。正直イライラします。
自分にも似た経験があり、感情移入してしまった。
でも、自分にも同じような体験がありました。
高校で通っていた塾が一緒で、授業も一緒のクラスで出会うことが多かった女の子がいました。大学の入学式で偶然その子に会ったときはかなり驚きました。さらに驚いたのが、サークルも一緒のサークルになったんです。
偶然が重なり過ぎて、新歓コンパの帰りに初めて話したときは本当に運命なんじゃないかと思ったものです。
思えば中学のときに通っていた個別指導塾でもその子の名前を見たことがあり、よくよく考えると5年間片思いだったんです。
でも、お兄さんが4人というのと自分と釣りあわないと思い、告白もせずサークルも辞めフェードアウトしました。
自分の青春といえばこんな感じです。
だからこそ、主人公の森司(シンジ)に感情移入しつつも、イライラしてしまうのかもしれません。
巻数を追うごとに成長する森司
森司とこよみの関係性も巻を追うごとに少しずつですが発展していきます。
こよみは霊に取り付かれやすい体質で、森司がこよみを守るために霊を説得したりします。周りから見れば、両思いだってことがわかるくらいなのに、本人たちはいまだにそう思っていない。
ヘタレだけど、こよみを守るためには命もかけようとする森司に今後も注目したいと思います。
現在7巻まで発売していて、森司とこよみは大学2年生の冬を迎えました。
大学を卒業するまでに森司はこよみに告白できるのか?
二人はカップルになるのか?
次巻の発売は夏ころになりそうですが、楽しみです。
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