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【本レビュー】ローマ法王に米を食べさせた男

先週日曜に「ナポレオンの村」第1話、2話のキャッチアップがあり、それを見た影響で本を買ってしまいました。

読んでいくと内容や高野さんが行った行動というのが非常に勉強になる部分もあり、ビジネスにも行かせる気がしたので、レビューを残します。

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ドラマ、ナポレオンの村のモデルとなった実話

ドラマではエリート公務員であり、限界集落を立て直す男、浅井役を唐沢さんが演じています。この本を読む前は、エリート公務員の実話なのかと思っていたのですが、高野さんは、僧侶で元放送作家、しかも市の臨時職員からスタートという想像していたのと全く違うイメージでした。

役所の問題点を理解し、事後報告をして進める推進力

高野さんも書かれていますが、役所というと融通が利かず、稟議にばかり時間がかかってスピード感がないというのが私の印象でした。

その通りだったようで、市長から1年間で神子原地区の「過疎高齢化集落の活性化」と「農作物を1年以内にブランド化する」という命題を与えられ、予算を60万円と決め手状況下で命題に取り組むことになります。

高野さんは、この命題に取り組むために市長に「稟議書、決裁書も書かない」というのを了承してもらい進めています。

役所では稟議書を回すと”なぜこんなことをしなくてはならないのか”と、中間の企画財政課や総務課などのいろんなセクションで止まってしまい、1年では命題を達成できないということもあり、事後報告ですすめることにしたそうです。

長い間、役所勤めをしている人であればありえないでしょうが、放送作家として働いていたからこそできる発想だったのではと思います。

日本人、人を理解しているからこそ出来る人身掌握術

実際に自分もそうですが、身近な人に誉められるよりも友達の友達など少し遠い関係の人に評価されるとよりうれしく感じます。

身近な人の発言の場合は、お世辞な感じがしてしまうからでしょうか。そこで神子原の人たちが身近な人の発言を受け入れないので第三者の発言を活用します。

おもしろいですよね。日本人の特性等もちゃんと理解した上で、それをうまく使って人を動かしていくのです。

反対意見をどう抑えるか

ここは私も常に思っていることなのですが、反対する人って反対って言うだけで代案を出さない人が多いんですよね。前の会社の部長・役員会議で社長がよく怒っていたのを思い出します。

私はその会議には入っていないのですが、社長が出した意見に対して、部長たちはリスクが高いから止めたほうがいいというだけで、新しい案を出さなかったのです。それは自分が社長だったら怒りますよね。経営が厳しくてなんとか仕事を作ってお金を生み出そうとしているのに、ただ反対されるのですから。

最近見た記事で、佐藤可士和さんも「否定するなら代案を出せ」とおっしゃっています。本当にその通りだと思います。

話はそれてしまいましたが、高野さんが推し進める方向に反対する農民の方々をどのように取り込んでいったのか。2つの方法があります。

まずは自分がやってみる

当時の農家の年収が86万円くらいだったということを考えると、新しいことをして失敗したらという考えが浮かぶのは仕方ないですよね。そうやって凝り固まった心を解きほぐすには、率先して自分が動いて成功させてみることだと高野さんは考えました。

それで、米を売るために人工衛星を使ったり、神子原という名前から天皇陛下に神子原米を召し上がっていただくように宮内庁に働きかけます。こちらは実現しなかったので、あきらめずにアイデアをだし、神の子ということで、ローマ法王に手紙をだします。それ以外にも米の国と書くアメリカの大統領にも送ったりしています。

どれか一つでも返事が来て、お米を食べてもらえばニュースになるというのを狙ってのことですが、最初から無理だと思わずにチャレンジするのが大事だと心から思いました。手紙を送る費用はかかりますが、ほとんどタダみたいなものですし、チャレンジしたほうがいいですよね。

会議を増やして、同じことしか言わない人をだまらせる

このやり方はかなりすごいと思いましたが、直営の販売所を作るのに300万かかり、最初の5年間は赤字だが、次から黒字になるだろうと話したとき、村の人たちは赤字で倒産したら誰が責任を取るんだと反対したそうです。

で、毎週3回の会議を繰り返しても、話が進まなかったので、毎日会議を入れていったそうです。村の人たちも自分が休んだときに採決されると困るということで会議には参加していたのですが、毎回反対する人に対し、村の人から“お前はこの前も同じことをいったろ”という発言が聞こえてきて、その際に高野さんは議事録を見て、●●さんは、5回目の会議でも同じことをおっしゃっていますと追い討ちをかけます。

そうやって、ただ反対だけする人を抑え込み、賛成派で村で発言力のある人には根回しをして賛成に持ち込んだそうです。

 

確かに最初から否定で入る人って、前向きになった人も引きずりこむのでやっかいなのですが、こういう方法もあるんだなと感じました。

あきらめないこと、勇気、熱意、そして楽しむことが大事

当たり前のことですが、会社で仕事をしているといやだなと思うこともありますよね。自分で新しいことをしようと思っても、他に類似サービスがあるからとあきらめてしまうことが多いのですが、あきらめずに違うアイデアを出していき、とりあえずはじめるというのも大事だなと感じました。

会社でも、新しいことが始まったら基本的に手を挙げ、会議では「でも」、「しかし」などの否定形の言葉は使わないように心がけています。